ネタバレ注意
アニメ第1期終盤(第23〜24話)を中心に、猫猫の出生と羅漢・鳳仙の過去、身請けまでを解説します。
未視聴の方はご注意ください。
『薬屋のひとりごと』に登場する、変わり者の軍師・羅漢(ラカン)。
猫猫に異様なほど執着していることから、
と思っていた方も多いのではないでしょうか。
そして、物語が進むにつれて明らかになるのが、緑青館にいた妓女・鳳仙(フォンシェン)との関係です。
まず結論からお伝えすると、羅漢は猫猫の実父、鳳仙は実母です。
猫猫を育てた羅門とは、それぞれ立場が異なります。
しかも二人の過去を知ってしまうと、羅漢を見る目がちょっと変わってしまうんですよね…。
囲碁と象棋から始まった出会い。
猫猫の誕生。
届かなかった思い。
そして、長い時を経た再会――。
アニメ第1期終盤で描かれた羅漢と鳳仙のエピソードは、『薬屋のひとりごと』のなかでも特に切なく、印象に残る物語でした。
二人は盤上遊戯を通じて惹かれ合い、猫猫の誕生、そして長い別離へとつながっていきます。
しかし、羅漢の長期遊説と花街を取り巻く事情が重なり、二人は離れ離れに。
長い時が流れます。
猫猫や梅梅の働きかけによって、羅漢は鳳仙が生きていることを知り、彼女を身請けします。
今回は、羅漢と鳳仙はどのように出会い、なぜ長い間すれ違ってしまったのか?
猫猫との関係や「指を添えた文」の意味まで、時系列で振り返っていきたいと思います。
この記事でわかること
・羅漢と鳳仙の出会いと、すれ違いの理由
・猫猫の出生と、実父・実母・育ての親の違い
・指を添えた文と、身請けに至るまでの流れ
先に結論!羅漢と鳳仙の関係を時系列で確認
まずは、羅漢と鳳仙の関係を簡単に整理してみましょう。
| 時期 | 主な出来事 | 二人の関係 |
|---|---|---|
| 出会い | 羅漢が鳳仙との囲碁勝負で敗れる | 盤上遊戯を通して互いを意識する |
| 親しくなる | 囲碁や象棋を何度も楽しむ | 言葉より盤上で思いを通わせる |
| 別れのきっかけ | 一夜をともにした後、羅漢が地方への遊説を命じられる | 鳳仙は猫猫を身ごもる |
| 長いすれ違い | 鳳仙は病にかかり療養。 羅漢も鳳仙に会えない | 長い年月が流れる |
| 再会 | 猫猫と梅梅の働きかけで鳳仙の生存を知る | 羅漢が鳳仙を身請けする |
こうして並べてみると、本当に切ない…。
羅漢と鳳仙は、嫌いになったから別れたわけではありません。
むしろ、お互いを特別な存在として認識していた二人。
それなのに、言葉で気持ちを伝えることが得意ではなかったことや、それぞれが置かれた環境によって、大きくすれ違ってしまいます。
羅漢とは?人の顔を見分けにくい天才軍師
羅漢は軍部の高官で、周囲から「変人軍師」と呼ばれる人物です。
人の才能を見抜き、適材適所に配置する能力に優れている一方、言動が独特なこともあり、宮中ではかなり恐れられている存在。
そして羅漢を語るうえで欠かせないのが、人の顔を見分けることが苦手という特徴です。
羅漢は人の顔を認識する代わりに、周囲の人間を将棋の駒のように捉えて覚えていました。
ところが――。
そんな羅漢が、はっきりと顔を認識できた特別な相手が鳳仙でした。
さらに、猫猫の顔も認識することができます。
これを知ってから羅漢と鳳仙の過去を見ると、「鳳仙が羅漢にとってどれだけ特別だったのか」が、より伝わってくる気がします。
| 羅漢の特徴 | 鳳仙との関係で意味を持つポイント |
|---|---|
| 人の顔を認識しにくい | 鳳仙の顔をはっきり認識できた |
| 囲碁・象棋に強い | 鳳仙との出会いのきっかけになる |
| 人の才能を見る目がある | 鳳仙の才覚にも惹かれていく |
| 感情表現が不器用 | 好意があっても、うまく伝えられない |
猫猫からすると、羅漢は幼いころに怖い印象を残した実父。
そのため、なかなか「父親」として見ることはできません。
でも鳳仙との物語を知ると、羅漢もまた、大切な人との向き合い方が分からなかった不器用な人だったんだな…と思わされます。
鳳仙とは?囲碁の腕前で羅漢を負かした緑青館の妓女
鳳仙は、緑青館にいた妓女です。
そして、とにかく囲碁が強い!
羅漢ですら負かしてしまうほどの腕前を持つ才女でした。
羅漢が同僚に付き合って妓楼を訪れた際、二人は囲碁で対局します。
そこで羅漢は鳳仙に敗れ、自分を上回る囲碁の腕に心を動かされます。
誰にも負けないほど盤上遊戯に強かった羅漢にとって、かなり衝撃的な出来事だったはず。
しかも、その瞬間――。
羅漢には鳳仙の顔が見えます。
羅漢にとって鳳仙は、単に美しい妓女だったから惹かれた相手ではありません。
自分と対等に勝負できて、なおかつ顔を認識することができた特別な女性。
二人の恋は、甘い言葉ではなく「囲碁」から始まったんですね。
羅漢と鳳仙の出会い!囲碁から始まった特別な関係
鳳仙に負けたことをきっかけに、羅漢は妓楼へ通うようになります。
とはいっても、二人がしていたのは甘い会話ではなく、囲碁や象棋。
何度も盤を挟んで勝負するうちに、不愛想だった鳳仙も少しずつ羅漢に心を開いていきます。
これが、なんとも二人らしいんですよね。
相手の手を読む。
次の一手を考える。
そして、相手が何を考えているのかを想像する。
二人にとって囲碁や象棋は、ただの遊びではなく、言葉の代わりになる「会話」だったのかもしれません。
「碁がしたい」「将棋がしたい」に込められた二人の思い
やがて鳳仙には、身請けの話が持ち上がります。
そんななか、鳳仙は羅漢との対局で、珍しく賭けを持ちかけます。
勝った方が望むものを得る――。
そして二人は、一夜をともにすることになります。
鳳仙の身請け話が進むなかで起きたことで、のちに猫猫が二人の間に生まれるきっかけとなりました。
普通の恋愛作品なら、ここで分かりやすい告白がありそうなものですが、羅漢と鳳仙はやっぱり違います。
鳳仙は「碁がやりたい」。
羅漢もまた、彼女と将棋をしたいと思っていました。
一見すると「こんなときまで盤上遊戯!?」と思ってしまいますよね。
でも二人にとっては、これこそが相手を求める言葉だったのではないでしょうか。
甘い愛の言葉ではなく、二人にしか分からない方法で気持ちを伝える。
すごく不器用。
だけど、それが羅漢と鳳仙らしい恋の形だったように感じます。
なぜ羅漢と鳳仙はすれ違った?猫猫の誕生と3年間の遊説
二人が一夜をともにした後、鳳仙は猫猫を身ごもります。
ところが――。
羅漢は、そのことを知りませんでした。
羅漢は地方への遊説を命じられ、3年間も都を離れることになってしまいます。
一方、鳳仙にとって妊娠は大きな問題でした。
身請けの話が進んでいた妓女が妊娠したことで、その話は破談に。
鳳仙は妓女としての立場を失い、厳しい環境に置かれることになります。
さらに、その後は病に感染。
療養生活へ入ることになり、羅漢との再会はますます遠ざかってしまいます。
| すれ違いの原因 | 起きたこと |
|---|---|
| 羅漢の遊説 | 猫猫の誕生を知らないまま3年間都を離れる |
| 鳳仙の妊娠 | 身請け話が破談になってしまう |
| 文の行き違い | 鳳仙が知らせようとしても、すぐには羅漢へ届かない |
| 鳳仙の病 | 療養生活に入り、再会がさらに難しくなる |
ここで押さえておきたいのは、羅漢が鳳仙への気持ちを失い、意図的に捨てたという単純な話ではないことです。
都へ戻った羅漢は、鳳仙に会おうと緑青館へ向かいます。
しかし、やり手婆から門前払い。
鳳仙のもとへたどり着くことはできませんでした。
「あと少しタイミングが違っていたら…」
そう感じますが、事情を知らなかったからといって、鳳仙と猫猫が受けた傷まで消えるわけではありません。
そう思わずにはいられない二人です。
鳳仙が送った「指を添えた文」の意味とは?
羅漢と鳳仙の過去で、かなり衝撃的だったのが「指を添えた文」ではないでしょうか。
鳳仙は、音信のない羅漢に対して文を送ります。
そこには、鳳仙自身の小指と、幼い猫猫の小指の一部が添えられていました。
羅漢はそれを見て、鳳仙が自分の子どもを産んだことを知ります。
この場面は、鳳仙の追い詰められた気持ちと、猫猫にも残った傷を示しています。
私は「愛の証」とだけ美化できる場面ではないと感じました。
その後、花街で幼い猫猫と出会った羅漢。
猫猫の小指が歪んでいること。
そして、鳳仙と同じように猫猫の顔を認識できたこと。
それによって、目の前の少女が自分と鳳仙の娘だと気づきます。
それでも猫猫は羅漢を「父」と呼ばない
自分の娘だと知った羅漢は、猫猫を引き取りたいと考えるようになります。
何度も緑青館のやり手婆に頼みますが、猫猫にとって「父親」と呼べる存在は羅漢ではありませんでした。
猫猫を育てたのは羅門です。
そして猫猫にとって羅漢は、幼いころに恐怖を感じた相手でもあります。
そのため実の父親だと分かっていても、猫猫は羅漢を「あの男」と呼び、距離を置いています。
血がつながっているからといって、すぐに親子になれるわけではない。
そんなところも、『薬屋のひとりごと』らしい複雑な親子関係ですよね。
猫猫の出生や羅門との関係は、猫猫の年齢・正体・父親と母親を解説した記事でも詳しくまとめています。
【ネタバレあり】
長い時を経た再会!羅漢が鳳仙を身請けする
羅漢は長い間、鳳仙はすでに亡くなったと思っていました。
ところが、猫猫との勝負と、梅梅の働きかけによって、羅漢は再び鳳仙へとたどり着きます。
第23話で猫猫が羅漢に持ちかけるのは、条件付きの象棋勝負です。
猫猫が勝った場合、羅漢は緑青館の妓女を一人身請けすることに。
勝負を経て、物語は第24話へ進みます。
羅漢は緑青館で身請けする妓女を選ぶことになります。
当初、羅漢は梅梅に手を伸ばしかけます。
けれども、梅梅が扉を開けたことで聞こえてきた歌声が、羅漢を鳳仙へと導きます。
答えはもちろん、鳳仙。
鳳仙が病によって昔とは大きく姿を変えていたとしても、羅漢には関係ありませんでした。
羅漢にとって鳳仙は、昔も今も鳳仙。
盤を挟んで向き合い、心を通わせた大切な人だったんですよね。
| 再会前 | 再会後 |
|---|---|
| 鳳仙は亡くなったと思っていた | 鳳仙の生存を知る |
| 鳳仙は緑青館で療養していた | 羅漢に身請けされる |
| 長い間すれ違っていた | ようやく二人で過ごせるようになる |
若い頃の二人に戻れるわけではありません。
失われた時間を取り戻すこともできません。
それでも羅漢は、迷うことなく鳳仙を選びます。
過ぎてしまった時間を取り戻すのではなく、これから残された時間を一緒に過ごすことを選んだ。
そう考えると、この身請けのシーンがさらに切なく感じられました。
猫猫にとって羅漢と鳳仙はどんな存在?
猫猫にとって、羅漢はかなり複雑な存在です。
実父であることは分かっていても、猫猫を育ててくれたのは羅門。
そのため、羅漢を素直に父親として受け入れることはできません。
でも、羅漢と鳳仙が長い時を経て再会したときの猫猫を見ると、決して何も感じていないわけではないんですよね。
鳳仙へ薬を届ける。
羅漢に、緑青館の妓女を身請けするという条件を出す。
その先で、梅梅の行動が羅漢と鳳仙の再会につながる。
猫猫は「お父さんとお母さんが再会できてよかった!」なんて、分かりやすく泣いたり喜んだりするタイプではありません。
ただし、猫猫が最初から鳳仙の身請けを狙って、すべてを仕組んだとまでは言い切れません。
梅梅の思いと選択も、この結末には欠かせないからです。
そして第24話の終盤で、猫猫は身請けされた妓女を送る舞を踊ります。
親子としての距離は残っていても、その門出に何も感じていないわけではない。
私は、そんな複雑な思いがにじむ場面だと感じました。
二人の恋が実ったことと、猫猫の親子関係がすべて解決したことは、分けて考えたいですね。
羅漢と鳳仙についてよくある質問
羅漢と鳳仙は猫猫の両親?
はい。
羅漢と鳳仙の間に生まれた子どもが猫猫です。
羅漢が実父、鳳仙が実母にあたります。
羅漢と鳳仙はなぜ別れた?
羅漢が地方へ3年間の遊説に出たことに加え、鳳仙の妊娠によって身請け話が破談になったこと、さらに病によって療養生活へ入ったことなどが重なり、二人は長期間すれ違うことになりました。
鳳仙が羅漢に送った指は誰のもの?
鳳仙自身の小指と、幼い猫猫の小指の一部です。
この文によって、羅漢は鳳仙が自分の子どもを産んでいたことを知ります。
羅漢は鳳仙を身請けした?
はい。
アニメ第1期第24話で、羅漢は鳳仙を選び、身請けします。
原作書籍では第2巻にあたるエピソードです。
羅漢と鳳仙は再会できた?
はい。
猫猫と梅梅の働きかけによって羅漢は鳳仙が生きていることを知り、長い時を経た再会を果たします。
まとめ|羅漢と鳳仙にとって盤上遊戯は、言葉よりも確かな思いだった
今回は、『薬屋のひとりごと』に登場する羅漢と鳳仙の関係、猫猫が誕生した経緯、そして長い時を経た再会についてまとめました。
羅漢と鳳仙は、囲碁と象棋を通じて出会い、互いの才能を認め合いながら惹かれていきます。
しかし、羅漢の3年間の遊説。
鳳仙の妊娠。
身請け話の破談。
そして病――。
いくつもの出来事が重なり、二人は長い間すれ違うことになりました。
それでも、羅漢は鳳仙を忘れていませんでした。
鳳仙が生きていると知ったとき、迷わず彼女を選んだ羅漢。
この場面を見て、
「羅漢って、こんな顔をするんだ…」
と、それまでの印象がガラッと変わった方も多かったのではないでしょうか。
再会のきっかけを作るのが猫猫との勝負であり、最後に羅漢を鳳仙へ導くのが梅梅です。
猫猫の舞まで見届けると、三人だけでは語り切れない花街の人々の思いも伝わってきます。
甘い言葉で気持ちを伝えることができなかった羅漢と鳳仙。
そんな二人にとって、囲碁や象棋は、言葉以上に相手を理解するための大切なものだったのかもしれません。
盤上でしか素直になれなかった二人が、長い時間を経て、もう一度同じ場所で過ごせるようになる――。
切ない過去があったからこそ、最後の身請けのシーンには、静かな救いを感じました。
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